キルアは今まで何度も、自分よりゴンの方が優れている部分を知っては心の底で悔しく思っていた。中でも、最も同情に値する最悪の出来事を忘れてはならない。
それは7巻85ページ1コマ目&105ページ1コマ目と、同じく7巻98ページ2コマ目を見比べてくれれば解る。そう、試合終了後の両選手に対する歓声と拍手が全く違うのである。
観客の中には、今までのリールベルトの戦いを見ている者も大勢いるだろう。キルアは「本日のメインイベントで」今まで誰も倒せなかったリールベルトを並外れた動きであっさりと倒したのだから、大歓声に包まれてもいいはずなのに、少しの拍手しか無かった。それに比べ、ゴンはキルアほどの動きはしなかった様に感じるが、2試合とも大歓声である。これはあまりにひどいのではないか。
キルアがその事に気づいていないらしいのが、せめてもの救いである。