西暦から2000年、人類は異性人とのコンタクトに成功する。
だが、人類は異性人の宇宙戦争に巻き込まれ、
数100億いた人口がわずか6000人たらずしか生き残ることはできなかった。
そして、宇宙暦3930年、人類は新人類に進化していた・・・。
始まりはこうだった。
宇宙連邦政府代12地区、部長室。
部長は彼女を呼び出した。
「そういうことだ」
「どういうことです?」
彼女は即答した。
彼女はプリペント=ファイラ警部。髪は黒く、長い。
今はもう、黒髪の人種は絶滅に近く、珍しい。
そのため、ついたあだ名がブラックガール(漆黒の女性)といった。
性格は、沈着冷静でありながら残虐非道。IQ450の持ち主。
彼女の噂は多い。
彼女の壊滅、破壊したテロリストは150を超え、その戦闘でだした被害総額は
ゆうに連邦政府の総予算を上回るといわれているし、
彼女を敵に回して平穏な生活ができたものは一人もいないとも噂されてもいる。
部長は、熱いコーヒーを一口飲む。
「本日付で君は代13地区太陽系に転勤になった。」
「納得できません!」
ファイラは部長を見ながらいう。彼女の視線は屈強な狼さえも気絶させるほどの迫力を持つ。
部長はまた、目線をそらしながらコーヒーを一口飲む。
これは部長の一種の安定剤でもあった。
「そういうな、上からの命令だ。」
「辺境の地でいったい何をするというんですか!!」
べききききき!!
ファイラは激しく机を叩いた。叩いたというよりはぶち壊したといったほうがいいかもしれない。
部長はなれた動きでコーヒーと紙をすばやくとっていた。
もはや、これはビル部長とファイラにとって毎度のことであったから。
「・・・それは、この企画書に書いてあるとうりだ。」
しかし、いつもとは違った。今回ばかりは、さすがに彼女を守ることができなかったらしい。
「・・・部長。」
「そんな、うらめしい顔をするな」
「・・・部長。」
こんどは部長に覆い被さる。はたから見たら危ない構図である。
「な、なんだ」
「・・・覚悟しておいてください」
と、耳元で一言。
「な、なにをだ?」
「私の復讐」
血の気がなくなる部長。
「それでは失礼します。」
ファイラは部長から企画書をうばって、部長室からでていった。
ちなみに、部長がその後一週間昏睡状態に陥ってしまったことは、いうまでもない。
太陽系、はるか昔ここには人類が存在していた。
だが、いまは、2000年前に起きた宇宙戦争によって、星くずの海と太陽しかなくなっている。
「ここが太陽系・・・。」
ファイラはポツリとつぶやいた。
他の銀河系とは違う寂れたふいんきだけがただよっていたからだ。
「こんなところに本当に最新鋭の戦艦なんてあるのかしら?」
彼女はもう一度企画書を読み直す。
彼女は転勤と同時に書かれていた指令書である。
##最新鋭の巨大移民戦闘艦「千代の富士曙丸」を奪還せよ。##
これが、今回の任務であった。
第2話へ続く。