2001年3月26日公開(紅緑さん作)

無謀


◆前回までのあらすじ◆

宇宙暦3930年…
腕はいいが性格は最悪な宇宙連邦の警部、プリペント=ファイラ。
彼女のあまりの派手な活動に、連邦の上層部がついにファイラに処分を言い渡した。
それは第13地区太陽系に転勤させる事。
しかし、その処分の裏には「ファイラ抹殺」という影の計画があった。
だがその計画は見事に失敗、逆に連邦側が大きな痛手を受け、ファイラと連邦は完全に対立する。
その時、ファイラの前に、テロリストグループ“ケロンパ”のボス・田中平八が現れ、ファイラを
過去へ連れ去る。
その目的は、過去に消滅した強力なコンピューターウイルスを奪い、宇宙連邦の反乱分子制圧兵器
“使途”が完成する前に感染させ、過去から宇宙連邦を崩壊させる事にある。
しかし「元の時間に戻る」以外のタイムワープが出来ないファイラ達は、“使途”が完成するまで
仕方無く待つ事にしたのだった…


HP連動企画 第7話「最終決戦前夜」


「ふっ、そうよ。そうすればいいのよ!」
ファイラは勝ち誇ったように言った。
「何がですか?」
疑問に思った田中は聞いた。
ファイラは子供をあやすように言った。
「つまりよ。私達の目的は使途を破壊すること。だからが使途が出来る前に製作者を抹殺すればいいのよ!!」
恐ろしいことを平気で話すファイラ。
「なるほど」
納得する田中。
「さっそく使途を破壊しに行きましょう。」
「それは無理です。」
「・・・なぜ?」
「実は・・・、使途を作ったのはファイラ様の祖先だからです!!」
台詞を棒読みで言う田中。
「・・・うそね」
「はい。」
あっさり言う田中。
「いい加減にしなさい!」
といってファイラは拳銃を撃った。

パン!

「あいたー」
気の抜ける悲鳴をあげた田中。

そんなこんなでファイラたちが漫才をやっているとき、
未来から宇宙連邦の刺客が来ていることにまだ気が付いていなかった。
そう、刺客は、使途の破壊を回避させるため遥か未来からタイムトラベルしてきたのである。

「ついにみつけましたわ〜みてらっしゃ〜い、にっくきファイラさ〜ん」

彼女の名はガーネット=プロット。どうやら彼女はファイラと因縁があるようだ。

「私が〜作った〜最強の〜戦闘艦で〜ぶっ殺しますわ〜」

ガーネットとファイラは思考回路が同じなのかもしれない。

「時空断裂砲〜発射〜」

ポチ

時空断裂砲が千代の富士曙丸に向かって発射された。
が、なぜかファイラの戦艦から180度反対に名前の通り時空を引き裂きながら爆発した。

「あらら〜おかしいですねぇ〜もう一度〜発射〜ですわ〜」

ポチ

また時空断裂砲が千代の富士曙丸に向かって発射された。
今度はファイラの戦艦に直撃、爆破した。ガーネットは喜んだ。

「やりましたわ〜ファイラさんをぶっ殺しましたわ〜」

カチャ。

しかし、ガーネットの耳元で拳銃の撃鉄を動かしたような音がした。
さあーっと血の気が無くなる。
そうガーネットの横には拳銃を突きつけているファイラと田中がいたのだ。

「よくも私の千代ちゃんを破壊したわね?」
「あら〜ファイラちゃん〜どうしてここに〜」
汗をかきながらガーネットは言う。

「テレポート」
ファイラは簡潔に言った。

「そうだったわ〜ファイラちゃん〜テレポートできたのよね〜」
「どうしてあんたがココにいるの?」
ファイラは質問した。

「簡単ですわ〜タイムワープしてきたのですわ〜」
「なぜタイムワープできたの?」
「装置を〜積んだからですわ〜」
「その装置はどうしたの」
「ある人から貰ったのですわ〜」
「だれから」
「それは言えないですわ〜」
「じゃあ、死ぬ?」
ファイラは拳銃の引き金に手を置いた。

「ああ、思い出しましたわ〜代1地区長官ですわ〜」
手をポンと叩いて彼女は言った。

「他には、ここに誰が来てるの?」
「代1地区長官と精鋭部隊ですわ〜」
「そう、それじゃあこれが最終決戦になるのね!!」

と、強引に引っ張った。
いつの間にかガーネットも仲間になって戦艦も新しくなったファイラ一行。
悪の権現である「代1地区長官」を倒せるのか!!
それとも使途の調整プログラムが発動するのか!!
次回に続く。こうご期待!!