シルバはいったい何を考えているのだろうか。 …11巻にて、そんな疑問が湧いてくる部分がある。
その前に、まず「ゾルディック家は、無駄な危険は避ける」という事実を確認して頂きたい。 5巻21ページでイルミが「勝ち目の無い敵とは戦うな」と言っているし、9巻139ページでシルバが「旅団には手を出すな」と言っている。まぁこれは当然の話で、無駄な危険は避けたいに決まっている。
さて、ここで注目されるのが、11巻133ページ、シルバ&ゼノが団長と戦った直後。ゼノは団長に向かって「ワシらを快楽殺人者と勘違いしとらんか?」と言っている。つまり、「殺人は仕事であって、趣味ではない」と言いたいのだ。これはおそらく、一族全体に共通している教えではないだろうか?
前述の様に、ゾルディック家は無駄な危険を避ける。快楽殺人者になると、無駄な危険が増えてしまうのだ。なぜなら、もし誰かを殺そうとすれば、その相手も死に物狂いで抵抗するだろう。快楽殺人者になると、そういう意味での危険が増える。11巻でも、もしゼノが快楽殺人者ならばクロロも本気になり、危険な目にあっていただろう。
さらに、今のゾルディック家全員が快楽殺人者でない証拠として、ミケの存在が挙げられる。人を殺したいのなら、狩猟犬など使わず、自ら手を下せばいいのだ。しかし実際にはそれをしている者はいない(そうなると、ミケが配置されたのが たった10年前と言うのが少々気になるが…)。
以上の事から見て、ゾルディック家は快楽殺人者にならない様に、子供達をしつけて来たのではないかと考えられる。
では、なぜシルバとイルミは、キルアを快楽殺人者にしようとしたのだろうか。ゼノも「好きでやってる訳じゃない」のに、ゾルディック家で一番の才能を持ったキルアを殺人好きにしていいのだろうか?