3世代前の型にも関わらず、未だに人気を誇るジョイステーション。このゲーム機の独特な形状を見て、不思議に思った方も多いだろう。CD-ROMを入れると思われる場所が2つ、そして何かを挿入するスロットが6つ…。
しかし、考えていくと、未だに人気を誇る理由がわかる気がしてくるのである。
ジョイステーションには、隠れだけゲー(その機種でしかプレイできない、知られざる名作ゲーム)が多く存在するため、未だに売れている。ハードが売れればソフトも売れるので、ジョイステーション用ソフトも未だに売れているという事になる。当然、ゲームメーカーもその情報を得ているはずだ。ならばその人気ゲームを現行のハードに移植すれば、かなりの利益が見込めるのではないだろうか。
しかし、どうやら移植している様子はなさそうだ。なぜ移植しないのか? それは“移植できないから”である。
ジョイステーションには、ディスクカバーが左右に計2つある。キルアは左側のディスクカバーを開け「ここにソフトを入れる」と言っているが、では右側にあるのは何なのか。ここで注目すべきは各種ボタンである。左側の長方形のボタンが左ディスクカバーのオープンボタン、その左にある丸いボタンがパワーボタンだ。形状と位置から推測すると、中央奥にあるのがリセットボタン、右側の長方形が右ディスクカバーのオープンボタンだろう。となると、その右にある丸いボタンは右ディスクのパワーボタンだろうか。
この形状からすると、ジョイステーションは初めから“CD-ROM2枚を同時使用するゲーム”を想定して作られたのではないだろうか。ゲーム内のBGMを好きなCDから鳴らせたり、2枚のCDのデータを合成してキャラクターを作り上げたり…
そういった、独特なシステムを利用した名作が多いので、未だに売れているのだろう。
次に6つのスロットについてだ。3つのスロットが逆三角形を描くように配置さたものが2つある。8巻99ページを見れば解るように、下段はコントローラ用ポートで、上段左側がロムカード用スロットだ。では、上段右側にあるスロットは何を挿すためのものなのだろうか。これは恐らく拡張用のスロットだと思われる。しかも場所からして、利用率の高い拡張スロットだろう。だから、例えばNintend●64のゲームボ●イパックのような使い方ではなかろうか。
そして最後に、マルチタップについてだ。これはコントローラポートに挿す事により、片方のポートだけで4つのコントローラとロムカードをさせるようにするものである。
ここで注目されるのが、“マルチタップと元々のロムカードスロットは同時使用できない”という点だ。13巻119ページでフィンクスが「オレら以外にあと2人セーブ出来るぜ」と言っているが、この時、右側のロムカードスロットは空いている。これは恐らく、マルチタップを挿した側のロムカードスロットは使用不可(と同時に、ロムカードを挿した側のコントローラポートにはマルチタップが使用不可)になるよう作られているのだろう。
しかし、両方のコントローラポートにマルチタップを繋いでも、全く問題は無いようだ。交代でプレイする内容のゲームなら、いくら大人数でも4つのコントローラを使いまわせば充分事足りるはずだ。しかし、ジョイステーションは8つのコントローラをつなげられる。これは、8人同時プレイのゲームを想定して作られたという証拠であろう。
2枚のCD-ROM同時使用、利用率の高い拡張スロット、8人同時プレイに耐えられる能力。ジョイステーションは、かなりの高性能機と見ていいだろう。そしてこれが3世代前の型だというから、驚きだ。